医療法人 友愛会 田川療養所

リハビリテーション

こころの病気がもたらす障害とは

こころの病気にかかると、ミスが増えたり、ぼんやりしたり、遅刻が増えるといった行動の変化が出てきます。
こうした行動の変化の背景には、しばしば認知機能障害といわれる症状が存在します。

認知機能障害とは、認知症でみられる記憶の障害のほかにも、注意や遂行機能の障害など様々なタイプがあります。遂行機能とは、何かをしようとして計画を立案し、確実に実行し、何か予期せぬ出来事が起こった場合にも柔軟に対応する能力を指します。統合失調症やうつ病には認知機能障害が多く存在し、その日常生活や社会生活に大きな影響をおよぼすことが知られています。

リハビリテーション
こころの病気のリハビリテーションとは
うつ病や統合失調症では、様々な症状のために家庭生活や社会生活に障害が生じます。
症状の改善だけではなく、日常生活におけるこうした障害の回復も治療の目標になります。
薬物療法は、こころの病気により障害された機能の修復を図る治療です。こうした治療と並行して、障害を受けていない機能を生かすことで家庭生活や社会生活の障害を克服し、生きる意欲と希望を回復し、充実した人生をめざすのがリハビリテーションです。
こころの病気を克服していくために必要になってくるのが、ストレスのマネジメントであると考えています。ストレスのマネジメントがうまくできないと、病気の再発の恐れがでてきます。
ストレスというと、これは心理的なことを思い浮かべる人がほとんどであると思います。しかし、身体は常に一定の状態を維持しようとしており、そのバランスを崩すものは全てストレスということができます。
したがって精神的心理的な負担感のみならず身体の具合の悪さもストレスなのです。身体の不具合は心理的ストレスに起こる事もあるし、気候の影響、環境の影響、生活の負担と言ったストレスで引き起こされることも非常にたくさんあります。心理的なストレスも苦手な事、嫌な体験がある事をしなければならないというだけでストレスになります。
これらをいかに解消して元のバランスを取り戻すのか、それらの解決のお手伝いをしていくのが精神科のリハビリテーションなのです。

リハビリテーション

リハビリテーションに用いられる方法は、病状や生活の状態により様々です。

◎ 病気や薬についてよく知り、治療の参考にして再発を防ぎたいとの希望がある患者・家族のためには「心理教育」

◎ 回復直後や長期入院のために身の回りの処理が苦手となっている場合には生活自立のための取り組み

◎ 対人関係やコミュニケーションにおける問題が社会復帰の妨げとなっている場合には、認知行動療法の原理を利用した「生活技能訓練(Social Skills Training;SST)」

◎ 仕事における集中力・持続力や作業能力の回復をめざす場合には「作業療法」

◎ 対人交流や集団参加に自信がもてない、就労のための準備段階には「デイケア」

など、個々の患者さんの病状に合わせて利用していきます。

作業療法

作業療法とは

こころの病気に対しておこなわれるリハビリテーションの1つです。こころの病気によってもたらされた障害を「作業(Occupation)」を用いて治していきます。ここで言う「作業」とは、仕事・遊び・運動・楽しみなど、ひとがおこなう活動や行動のすべてのことです。

こころの病気の障害は主に認知機能の障害です。集中、注意、記憶、作業記憶(何かを実行するために一時的に保持しておく記憶;電話をかけるために電話帳にある電話番号を憶える)に問題が起こり、それに伴って行動を起こす遂行機能に影響を及ぼしていきます。そのため、仕事や家事ができなくなる、人と上手に付き合えなくなる、職場や学校に適応できなくなるといった日常生活全般がうまくいかなくなっていきます。

作業療法は日常生活に必要な作業能力や対人関係能力、社会適応能力、生活能力を色々な活動(Activity)を用いて高めていきます。

作業療法

作業療法の対象

当院へ入院中の方が参加できます。

作業療法の費用

治療の一種として医療費がかかりますが各種保険や自立支援医療費制度のなどの対象となります。

活動(Activity)の種類

ものづくり
革細工やビーズ細工など創作活動を通し、認知機能の改善を図ります。
ものづくり
革細工
ちぎり絵
ビーズ細工
フィットネス
ウォーキングやストレッチなどで、身体機能の改善を図ります。
革細工
レクリエーション
一緒に楽しむ機会を作ることで、気分のリフレッシュとともに、対人関係能力の改善を図ります。
グループワーク
他の患者さんと一緒に勉強していくことで退院や退院後の生活に備えます。

◎ 地域生活に必要なことについての勉強会(退院準備プログラム)

◎ 病気についての勉強会(心理教育)

◎ 他の患者さんやスタッフとの生活のことについての意見交換会(PSミーティング)

◎ 人との関わり方についての勉強会(SST:生活技能訓練)

個別プログラム
外出や料理など、それぞれの患者さんの日常生活に必要な能力の練習をおこないます。

デイケア

どのような人が利用しているの?

◎生活のリズムを安定させたい人

◎気分転換を図りかたい人

◎安心できる居場所が欲しい人

◎話し合える仲間を見つけたい人

◎自信をつけたい人

体力をつけたい人 など

このような同じ悩み、目標をもつ仲間が集まって、一緒に活動に参加した、助け合い、励まし合いながら皆と交流を深め、悩みを一つずつ解決していき、より良い生活や地域活動所等への社会参加を目指していきます。

デイケアこかげ

何をするの?

創作活動(革細工、陶芸、刺子、木工、絵画、書道、ペン習字、園芸、パソコン、料理など)
生活を豊かにし、作業能力(集中力や耐久性など)の向上、活動意欲の向上を図ります。
ミーティング(活動予定を話し合ったり、生活の中の問題を皆で考えたりします)
役割を果たすことで自信をつけることや、コミュニケーション技能の向上を図ります。
スポーツやレクレーション(カラオケ、卓球、ダーツ、体操など)
仲間との交流や気分転換、ストレス発散、体力の向上を図ります。
院外活動(月1回 県立体育館、映画、ドライブなど)
地域の社会資源を利用して活動をおこないます。
ワークトレーニンググループ
就労に必要な技能・知識を習得していきます。
リワークプログラム
うつ病等で、病休・求職中の方へ、職場復帰への支援をおこなっています。
リワークプログラムへ
こかげの会
年1回 家族合同で交流、研修をおこないます。

いつあるの?

デイケア 9:30~15:30
(月、火、水、木、金、土曜)
デイナイトケア 9:30~19:30
(毎週火、木曜)
ショートケア 9:30~12:30
12:30~15:30
(月、火、水、木、金、土曜)

ワークトレーニングってどのような人が利用しているの?

就労を目標とし、主治医から、ワークトレーニングの指示があった方。
見学・体験通所をおこない、デイケアスタッフと面接して意思確認をします。

ワークトレーニングでは何をするの?

就労支援 就労に関連した社会資源見学・体験及び学習をおこないます
SST 対人技能のトレーニングをおこないます
運動療法 体力作り、チームワーク
学習・創作活動 集中力、耐久性、など作業能力の向上を図ります
訓練的作業 ピッキング
S・F・W 生活習慣改善プログラム:食事と運動の勉強

ワークトレーニングっていつあるの?

●期間
前期:4月から9月
後期:10月から3月

途中月からの参加はご相談ください。

●実施曜日
週4回、火・水・木・金(9:30~15:30)

就労の労働週間を身に付ける為に、基本的に週4回参加が必要です。

土曜日(チーム活動)の併用もできます。

プログラムは予定で、ミーティングなどで 挙がった活動を臨時プログラムとしておこなう場合もあります。

  AM PM
個別学習 運動療法/
県立体育館
SFW
個別学習
職業訓練
SST
趣味活動
個別学習
園芸
就労支援
革細工 ミーティング
ボランティア活動
プレゼンテーション

活動場所

午前、午後ともに「デイケアこかげ」でおこないます。
火曜日は全体の運動療法(ワークとレーニングG、チームG)とし、県立体育館でのスポーツ、白鳥グランドでのウォーキング、スポーツなどをおこないます。

リワークプログラム

当院では、うつ病等で、病休・休職中の方へ現場復帰への支援(リワークプログラム)をおこなっています。 職場復帰へ段階的に準備をしていくだけでなく、再発・再休職の予防を目的としています。

当院はうつ病リワーク研究会の会員医療機関です。
うつ病リワーク研究会へ
(※これより先は外部サイトに移動します。)

リワークプログラム

プログラムの目的

復職支援プログラム(リワークプログラム)では、次の4つを目的に、様々な支援プログラムがおこなわれます。
コミュニケーション能力を高める
SSTやミーティングなどでコミュニケーションスキルの練習をしていきます。
生活リズムを整える
決められた時間に定期的に参加し、活動をおこなうことで、就労に向けた毎日の生活リズムを整えていきます。
体力をつける
身体機能を活性化し心身のバランスを整えていきます。創作活動やパソコン練習などによって、集中力、作業耐性を高めていきます。
うつ状態の理解を深める
心理教育の中で自分の症状の振り返りや自己評価をおこない、再発の予防に努めます。

プログラム内容

時間 9:30~12:30
曜日 毎週 月・火・水・木・金
場所 デイケアこかげ

◎ 水曜日は、1月・4月・7月・10月開始の10回シリーズとなっています。ただし、諸事情により、初回から参加できない場合等、ご相談ください。

◎ 必要に応じて、個別相談も実施します。

◎ その他、回復にあわせて、他のプログラムを組み合わせる事もあります。

費用について

各種健康保険や自立支援医療費が利用できます。
詳細については、担当の精神保健福祉士へご利用ください。

利用手順

step1
主治医への参加相談(他院からの利用も可能)
↓
step2
主治医から、担当スタッフへの情報提供 *1
↓
step3
担当スタッフ面接 *2
↓
step4
初回見学
↓
step5
参加の同意
*1他院からの利用の場合には、治療状況についての情報提供をしていただくとともに、当院を受診していただくことをご了承ください。
*2面接の結果によっては、参加をお断りする事もあります。
デイケアについてご相談、お問い合わせがありましたらお電話ください。
医療法人 友愛会 田川療養所デイケア室

[TEL] 095-813-0088

[受付時間]
9:00~12:30/13:30~17:00
(日・祝日除く)
ご相談は当院の精神保健福祉士デイケアスタッフがお受けします

フットサル活動

当院は精神障害者のフットサル団体「長崎ソーシャルフットボールクラブ」の活動をサポートしています。

精神障害者フットサル(ソーシャルフットボール)とは

基本的には通常のフットサルと同じです。1チーム5人(フィールド4人・キーパー1人)でおこなわれますが、女性がチームに入る場合は1チーム6人(フィールド5人・キーパー1人)となります。コートの大きさはテニスコートと同じくらいで室内・屋内でおこなわれます。
ゴールの大きさはハンドボールのゴールぐらいです。1ゲーム7分ハーフでおこなわれることが多く、交代は自由です。コートが狭いことに加え、オフサイドがないため、点が入りやすいです。

フットサル

全国的な動向

2007年に大阪で精神障害者のフットサルチームが立ち上がり、周辺のチーム による「大阪スカンビオカップ」が開催されました。これが障害者フットサルの始まりといわれています。
その後、全国各地で各地域のJリーグの支援を積極的に受けながら、フットサルの大会や地域リーグも開催されるようになりました。
そういった中、2013年にNPO法人日本ソーシャルフットボール協会(JSFA)が設立され、今では一般社団法人日本障がい者サッカー連盟(JIFF)の加盟団体として、7つの障がい者サッカーが一団となって共生社会の実現に向けて活動しています。
現在では、全国に約160チーム、2000人の選手がソーシャルフットボールの活動をしていると言われています。また、これまでに2回の全国大会および国際大会が開催されています。
JSFAへ(※これより先は外部サイトに移動します。)

フットサル

九州地域の動向

九州では、2018年に九州ソーシャルフットボール協会(KSFA)が設立されました。現在は、福岡県6チーム、佐賀県2チーム、熊本県3チーム、大分県1チーム、鹿児島県1チーム、沖縄県1チーム、長崎県1チームが活動をしています。
これまで全国ソーシャルフットボール大会の九州予選や福岡大学主催の九州四国スカンビオカップなどを定期的に開催しています。
これに加え、今後はフットサルイベントへの参加や九州選抜のセレクションを開催しソーシャルフットボール九州選抜チームを作る等、九州内での普及活動も予定しています。

長崎県における精神障害者フットサルの取り組み

長崎県では、2010年から大村地区の「amigo長崎」、長崎地区の「WILD MONKEYS」の2チームが活動をおこなっていました。
その当時は、時折練習試合を行なったり、Vファーレン長崎協力のもと、サッカー教室を合同で行ったり交流を図っていました。
2015年の九州予選では初めて長崎県合同チームで出場し、九州代表として全国大会に出場しました。しかしその一方で、県内での普及活動としては学会や研修会を通じ、精神科医療や福祉に携わる施設等に精神障害者フットサルのチーム作りの声掛けを何度かさせて頂きましたが、長崎県内で新規チームは結成されることはありませんでした。
そこで、この度、県内で活動する2チームを合併し、その支援団体として「長崎ソーシャルフットボールクラブ」を設立致しました。

長崎ソーシャルフットボールクラブの紹介

当クラブは、精神障害をもつ人にスポーツを通じて仲間と一緒に目標をもって活動することの素晴らしさを知ってもらい、日々を健康に過ごし病気の再発予防の一助となること、また、健常者にもサポーターとして参画してもらい、本活動を通じて障害者スポーツおよび精神障害の正しい知識と理解を広めることを目的としています。
チームの方針としてはレクリエーションではなく競技スポーツとして活動をしており、対象者も県内の精神障害者の方で競技スポーツとして参加が可能な方だと誰でも参加できます。
設立して間もない団体ではありますが、今後はJSFAやKSFAの動向に合わせながら、ソーシャルフットボール普及と支援をしていきたいと考えています。

長崎ソーシャルフットボールクラブamigo長崎
団体名 長崎ソーシャルフットボールクラブ
支援チーム amigo長崎
設立時期 2018年4月
活動拠点 大村市(長崎県立精神医療センター)
練習日時 毎週火曜日 18:30~21:00
  <九州地区>

◎ JSFAソーシャルフットボール大会九州予選(2018) 優 勝

◎ JSFAソーシャルフットボール大会九州予選(2019) 優 勝

◎ 第11回九州・四国スカンビオカップ(2018) 優 勝

<全国>

◎ 第1回ソーシャルフットボール全国大会【愛知県】(2016) 出場

◎ 第2回ソーシャルフットボール全国大会【愛媛県】(2017) 出場

◎ 第3回ソーシャルフットボール全国大会【愛媛県】(2019) 出場

◎ JSFA地域選抜選手権大会(2018) 準優勝